2012年5月5日土曜日

U-M Japanese Family Health Program: Clinical Services: Obstetrical Information


妊娠中によくある不快な症状
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この章では、妊娠中に起こりやすい不快な症状について解説し、こうした症状を和らげ、妊娠期間を楽に過ごせる方法にも言及し ています。長い妊娠期間をじょうずに乗り切れるよう、不安や気がかりな点があれば、主治医に相談し、適切なアドバイスを受けてください。

腰痛

腰痛は、妊娠中の子宮の重さを支え、しかも身体のバランスを取るために、背中をそらせた不自然な姿勢を取りがちなことから起こります。背中や腰の痛みを和らげるには、次の方法を試してみましょう。

かかとの低い、安定した靴を履く

重い物を持ち上げない。 物を持ち上げる時には、腰を曲げず、一旦しゃがんだ姿勢から足の筋力を使って立ち上がる。

妊娠用サポートやガードルを着用する。

前章で言及した骨盤体操を実行する。

乳房の手入れ

妊娠中、乳房が重く張って痛みを感じることもあります。胸部の不快感を和らげるため、ブラジャーは肩紐の幅が広く、伸縮性の少ないものを選びましょう。

妊娠中の風邪、インフルエンザと薬の使用について

妊娠中風邪やインフルエンザにかかると、抵抗力が低下しているため、症状が重く直りにくくなりがちです。症状が長びく場合は、次の方法を試してみましょう。

風邪

風邪の症状は、頭痛、喉の痛み、咳、鼻づまり、タンがからむなどです。

  1. 一日にコップ8〜10杯の水分をとりましょう。水はもちろん、ジュース、アイスキャンディー、スープなどで水分補給をすると、食欲のない時には、多少の栄養源にもなります。
  2. 食欲のない間は、3回の食事にこだわらず、1回の分量を減らし、少量で回数を多くして食べてみましょう。
  3. 休息を十分取りましょう。また、頭を高くすると鼻水が出るのを防ぎ、呼吸が楽になります。
  4. 一日1回は、体温を測りましょう。100.6F (38.1C) 以上の熱が24時間以上続いた場合、また、緑色や黄色のタンが出たり、痛み、悪寒、ほてりが24時間以上続く場合にも主治医に連絡しましょう。
  5. 加湿器を使うとタンが出やすくなります。加湿器がなければ、お湯を沸かし、頭や肩が濡れないようタオルで覆って、蒸気を吸入したり、気化器から吸入するのもいいでしょう。
  6. 副鼻腔周辺の痛み (眼の回りから頬骨にかけて) がある場合には、温かいタオルを当てるなどして、鼻づまりを楽にしましょう。

胃腸障害を伴うインフルエンザ

妊娠中インフルエンザ (吐き気、嘔吐、下痢、胃腸の痛みを伴うもの、但し、生理痛様の下腹部痛、腰痛は含まない) にかかった時には、十分な栄養が摂れるよう配慮が必要です。

まず、胃腸を休めるには、流動食が最適です。お腹に優しいメニューとして、清涼飲料水、水、ゼリーコンソメスープ、お茶などを試してみましょう。

症状が落ち着いてきたら、消化のよい固形もの (トースト、クラッカー、シリアル、チキンヌードルスープ、バナナなど) から少しずつ試していきましょう。

胃腸の痛みとは違った、子宮が収縮するような痛みがあれば、主治医か、Women's Hospital バースセンター (病院の陣痛/分婉室) に連絡をとってください。

市販薬
症状がひどく薬が必要な場合、下記の市販薬は胎児への安全性が確認されています。


速い減量プロテインシェーク
  • 鼻づまり Sudafed
  • 咳どめシロップ Robitussin, Vicks
  • 痛み、100.4F度 (38度C) 以上の発熱 Tylenol (一般名 Acetaminophen)
  • 24時間以上続く下痢 Kaopectat

いずれも説明書をよく読んでから服用しましょう。

便秘

妊娠中は、ホルモンの変化だけでなく、子宮が胃腸を圧迫するため、便秘になりがちです。便秘の解消には、次の方法を試して見ましょう。

  • 毎日水を8〜10杯飲む
  • 新鮮な生野菜、果物を欠かさず食べる
  • ブランシリアルなど繊維質を多く含む食品をとる

上の方法でもがんこな便秘が続く場合は、主治医に相談してみましょう。浣腸や下剤は絶対使用しないこと (流産につながる危険性があります)。

疲労

妊娠初期や後期は、特に疲労しやすいものです。日中でも、できるだけ横になって休息を取りましょう。夜間、寝苦しかったり、夜中にしょっちゅう眼が覚めるようなら、次の方法を試してみましょう。

  • 日中充分な水分を摂り (6〜8杯)、夕方からは水分をなるべく控える
  • 夕方以降はカフェインを控える
  • 疲れすぎない程度に、毎日軽い運動をするよう心がける
  • 体操やテープを聞くなど、リラックスしやすい環境造りを心がける
  • 温かいお風呂でくつろぐ

頻尿

胎児の発育に従い膀胱が圧迫されるため、どうしてもトイレが近くなります。膀胱炎の予防には、トイレへ行くのをがまんしないこと、外陰部を清潔に保つことが大切です。排尿時に痛みや熱感があったり、血尿や腰痛のある時はすぐに主治医に相談しましょう。

胎児の重みによる圧迫や、排便時のいきみが原因で、肛門周辺の血管が肥大することがあります。こうした症状からくる不快感を和らげるには、次のことを実行してみましょう。

  • 長時間便座に座らない
  • 便秘に注意し、重い物を持ち上げないようにする
  • お風呂または水浴の後、肛門周囲にワセリンを塗付する。痔が出血したり痛みがある場合は、主治医に相談し、塗り薬や治療について相談しましょう。

こむら返り


痛みの評価スケール

こむら返りは、血液循環の変化、足の神経の圧迫、カルシウム不足などに関係があります。こむら返りが起きた時の応急処置をいくつか揚げてみましょう。

  • 歩いてみる。最初は痛くても、痙攣が徐々におさまってくる
  • 膝をまっすぐにして立ち、つま先を上に向ける。この時膝を曲げないこと
  • 強いこむら返りが起きた時には、爪先を上にむけ (足首を上に曲げる) ふくらはぎの筋肉を伸ばす
  • かかとの低い靴を履く
  • カルシウムの摂取量を増やす。栄養の取り方の章を参照

仕事で、長時間立ちっぱなし、または歩きまわることが多い場合:

  • かかとの低い靴や底が平らで、履き心地のいい靴を選ぶ。
  • 家庭での仕事量を減らす
  • 立っている間は、片足の膝を曲げて足台にのせるなど、背中にかかる負担を軽くする。
  • 仕事場の環境などで気がかりなこと、また妊娠中どの時期まで仕事を続けて差し支えないかなど、主治医に相談してみましょう。

気分が激変しやすい

妊娠中は、ちょっとしたことで気持ちが不安定になりがちです。これはホルモンの変化や、母親になるという新たな責任に対する不安感から来るものです。自分の気持ちや、気がかりなこと、また今後予測される問題点など、気軽に主治医に相談してみましょう。

つわり

主な症状は吐き気と嘔吐で、通常、妊娠して初めの3ヵ月ごろが最悪で、ほぼ半数の妊婦に見られます。吐き気は、朝目覚めたときが最悪という訴えが最も多く、時間に限らず一日中あるという場合もあります。

つわりの原因は、まだ解明されていませんが、胎盤でつくられるヒト絨毛性ゴナドトロピン (HCG) の数値が高いことに関係するようです。このホルモンは、妊娠初期の3ヵ月ごろ最高値に達し、つわりもこの時期に最もひどくなります。

妊娠4ヵ月頃をさかいに、つわりの症状は軽くなります。症状がひどい場合は、次の方法を試してみましょう。


3にきびプロアクティブソリューションのステップ処理
  • 食べたい時に食べたい物を食べる
  • 朝起きたらすぐ20〜30分以内に、ベッドでクラッカーやトーストを (全粒粉) を食べる。この時、水分はとらないこと。
  • 吐き気をもようした時は、すぐに台所から離れる。妊娠中は、ある種の匂いに過敏になり、ちょっとした匂いの変化でも吐き気をもよおします。このため調理の時の匂いが苦痛で、でき上がりの食事を出してもらえれば、何とか食べられるということもあります。
  • 1日に食事を3度とるかわりに、4〜6回に分け、炭水化物を中心にした食事に変えて見ましょう。食事と食事の間隔を長く空け過ぎ、空腹状態や低血糖状態になると、吐き気をもようしやすくなります。
  • 油っぽいもの、揚げもの、香辛料が強く辛いもの、匂いの強いものは避けましょう
  • 食事中の水分摂取をできるだけ控え、代わりに食間に水分を多くとる工夫をします。また、間食にはアイスキャンディーやゼリーなど、食べやすく水分の摂りやすいものを選びます
  • 熱々のものや、よく冷やしたものを食べ、温度でごまかすことで、吐き気を抑えられるか試してみましょう
  • マッシュポテト、ご飯、熱いシリアル、バニラミルクシェイクなど、味が薄く無色の食品を試してみます
  • 吐き気をもよおす前に、食べるようにします。定刻に吐き気が起きる場合は、その30分前に食事をすませます。吐き気を抑えるために、食事を抜くのは逆効果で、胃が空っぽだと返って吐き気がひどくなります
  • 朝起きがけに、マウスウオッシュで口をすすいだり、さっぱりした味の歯磨きで歯を磨きます。口臭が吐き気を誘発するという例が多くあります
  • 疲労やストレスを避けること。 これも吐き気の原因になります
  • 妊娠用ビタミン剤で吐き気が起こるなら、いつたん飲むのを止め、妊娠3ヵ月以降に服用を再開するのもいいでしょう

つわりが原因で、胎児の発育に悪影響が出るということは、まずありません。妊娠3ヵ月頃までの胎児は、わずかな栄養でも正常に育ちます。一般に、つわりは健康な妊娠の証しともいわれます。

ごくまれに、妊娠3ヵ月過ぎで、嘔吐の回数がますます増えたり、つわりの一般症状がさらに悪化する、ということがあります。つわりがひどく、食べたらすぐに吐いてしまうというほどであれば、主治医に相談してみましょう。

性交

妊娠中でも、ほとんどのカップルは性交を続けているのが普通です。妊娠中の性欲については、妊娠前と変わらなかったり、増加または減退する場合もあり、個人によりさまざまです。性交を不快と感じる時は、異なった体位を試してみるのもいいでしょう。オルガスムスは、子宮の収縮を起こすこともありますが、胎児への影響はありません。収縮が継続したり、出血や破水が起こった場合は性交は止め、主治医に連絡をとりましょう。

ストレス


家庭や職場でのストレスや不快感はできるだけなくしましょう:

  • 日に何度か休憩を取る。頭を机にのせて休んだり、足の位置を高くしたるして、できるだけ楽な姿勢を取る
  • ソファーがあれば、昼食時や休み時間に左側を下にして休む
  • 机の下に足置きを置いたり、一番下の引き出しに足を乗せる

むくみ

妊娠後期には、足全体がむくみ易くなります。むくみの解消には、次の方法を試してみましょう:

  • 足を高くするよう常にこころがける
  • 日に数回、左側を下にして休む
  • 日にコップ6〜8杯の水分をとる。(水分の摂取量を増やすと反対にむくみは減少する)

おりもの

妊娠中は分泌物が増え、おりものの量が増えるのが普通です。不快感があれば、次の方法を試してみましょう:

  • コットンの下着を着用し、締め付けるようなきつい服装は避ける
  • 生理ナプキンやおりもの用の薄いナプキン (パンテイライナー) を使用する
  • 自分で膣の洗浄をしないこと。かゆみ、熱感、悪臭、また正常と異なるおりもの (血液がまじる、黄色、茶色、緑色、カテージチーズ状) が出る場合は、すぐに主治医に相談しましょう。

静脈瘤 (拡張蛇行静脈)

妊娠中には、静脈瘤が起きやすくなります。これは、骨盤内や足の血管を胎児が圧迫をするためです。症状の緩和には、次の方法を試してみましょう:

  • サポートタイプのストッキングをはく
  • 日中でもできるだけ休憩をとる。左側を下に横になると、血管の圧迫を防ぐことができる
  • 長時間立ち続けたり座り続けたりしない
  • 座る時は足を組まない
  • 休憩中は足を挙げる

胸焼け/消化不良

胸焼け/消化不良は、妊娠中のどの時期にもありますが、胎児が大きくなる妊娠後期に特に起き易くなりす。一回の食事の量を減らし、食べる回数を増やすようにしましょう。また、消化に悪い食品は避け、制酸剤を服用するものいいでしょう。ただし、妊娠中は重炭酸ソーダ (ベーキングソーダ) を成分とした薬は避けるべきです。

靭帯の痛み


妊娠中、子宮が大きくなるにつれ、子宮を支えている靭帯が牽引され伸びていきます。このため、鼠けい部のあたりに突然鋭い痛みを感じることがあります。体位を変えたり温めたりすると楽になります。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は、腰のあたりから足にかけて広がる痛みです。長時間同じ姿勢でいたり、胎児の体位が変わったりすることで痛みがひどくなることも、いくぶん痛みが和らぐこともあります。



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