かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ?(3): 名古屋地方裁判所やじうま傍聴記
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この日は、おばあちゃんを取り調べた警察官への証人尋問と、被告人質問が行われました。ついに、かわいいおばあちゃんが話す姿を、この目で見られます!
私はドキドキしながら法廷へと向かいました。
【注意事項】
この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
また、私に法律の知識はありません。
偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
登場人物のイニシャルは本名と無関係です。
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《かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ?(3)》
【狂犬病予防法違反】【過失傷害】『審理』
名古屋簡易裁判所403号法廷
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☆★登場人物★☆
Nさん(被告人。在宅。60〜70代ぐらいの女性。小柄)
弁護人(40代ぐらいの女性。小柄。陽気な印象)
検察官(50代ぐらいの男性。長身。声が高い)
裁判官(40代ぐらいの男性。四角い顔。キッチリ七三分け)
Xさん(40代ぐらいの女性。Nさんの親族)
Yさん(50代ぐらいの男性。Nさんの主治医。外科の開業医)
Pさん(20〜30代ぐらいの男性。Nさんを取り調べた警察官)
Aさん(被害者)
クッキー(Nさんの飼い犬の正式名称………の仮名)
ポチ(Nさんが飼い犬を呼ぶ時に使うあだ名………の仮名)
今井亮一さんがご著書で、「レアな罪名」として、軽く触れておられる事件の続報です。この「裁判中毒」という本はとても面白かったです。初心者向けですが、マニアの私にも新鮮な情報がつまっており、著者のこだわりが感じられます。
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納得できない交通違反の取締りを受けたら、公務員批判をしてゴネないで、今井さんのホームページをお読みください。自分の置かれている状況を再確認できるでしょう。
今井亮一の交通違反相談センター
今井亮一の交通違反バカ一代!
この日は検察官から証拠請求がありました。
[検察官の証拠請求]
甲35、36号証
P証人
後から分かったのですが、甲35、36号証は、ポチ(クッキー)の手綱の写真です。前回公判にありましたとおり、検察側はポチの手綱を、写真に撮ったそうです。
弁護人:「いずれも関係性不明ですので、必要性がありませんので、不同意します」
裁判官:「必要性がない………………………? 必要性がない?」
検察官:「本件では、握持状況等が重要な争点となっておりますので、必要性はあると考えます。弁護人は伝聞証拠性を争わないということですので、認めていただきたい」
弁護人:「関係性と伝聞性は違うので、公訴事実との関連、具体的な事実等を釈明願います」
(略: しばらく揉める)
裁判官:「P証人は?」
検察官:「甲36を踏まえた上での補強尋問をします」
裁判官:「弁護人、証人についてご意見は?」
弁護人:「もちろん異議あります」
裁判官:「検察官、今日はP証人、在廷されてるんですか?」(←ブラックジョーク? なかなかセンス良いです)
検察官:「はい」
裁判官:「甲36号証は実況見分………………? まずは証人いるなら先に証人尋問して、後で必要あるなら甲35、36を取り調べてはどうですか?」
検察官:「手綱の形状について立証するので、先に甲35、36を取り調べて下さい」
弁護人:「公訴事実との関係性の説明はどうなりました?」
検察官:「公訴事実第2について、手綱が輪っかになっておりまして、持ち手の如何によって、手から離れるものか離れないものかの立証に、必要となります」
弁護人:「であるなら、立証主旨を限定していただかなければ」
裁判官:「検察官、そうすると手綱の形状が過失傷害に関係してくると?」
検察官:「形状でよろしいかと。それによって本件過失が起こりうるか立証可能となるわけでございます」
裁判官:「まあ、前回もありましたが、公訴事実に手綱は出てきてて、検察官がおっしゃるのは、公訴事実の『手綱を確実に把持せず、左手で握持し、右手でブラシをかけたため、本件過失に至った』、ここにかかってくる?」
検察官:「はい」
裁判官:「弁護人よろしいですか?」
弁護人:「はい」
把持(はじ)とか握持(あくじ)とか、わけの分からん言葉ばかりで、とても困りました。こういうときは、カタカナでメモして、後で調べます。
たぶん、検察官は、「手綱を片手で軽く持っていたから過失傷害の罪が成立する」と、主張しているものと思われます。
裁判官は、立証主旨を過失傷害に限定した形で、追加の証拠請求を認めました。どうにか両者の折衷案に落ち着きました。
でも、どうなんでしょうね。いつもいつも折衷案に落ち着いてしまうのは…。時には、ダメなものはダメと、思い切った判断が必要な場面だってあります。
たぶん、レアケースがややこしく揉めているので、裁判官は困っているのだと思います。
[検察官立証]
甲35号証…手綱の持ち手が輪っかになっていることを証明する写真撮影報告
書。手首、または手のひらに通す。さらに二重に巻くこともできる。
甲36号証…持ち手の拡大写真。
P証人(がっちりした体格の若い男性。短髪)
被告人質問
続いてPさんへの証人尋問です。Pさんは、当時被疑者だったNさんを取り調べた、警察官です。
宣誓にあたって裁判官は、「前にも証人としてきていただきましたが、あらためて宣誓をお願いします」と言いました。この裁判はどのぐらい続いているのでしょうか…?
それでは、検察官からの主尋問です。
検察官:「平成19年1月**日、被告人の供述調書作成時、被告人の手綱の握り方について、乙2号証の『しゃがんだ状態で右手でクシ、左手でポチの綱を持っておりました。左手を緩くしていたので…』と、どのように証言していましたか?」
弁護人:「伝聞にかかる…」
裁判官:「ま、証人の…、ま、あの…、誘導してはいけませんので、証人に」
弁護人:「証人に被告人の供述を訊くのであれば、321条の再伝聞に当たります」
検察官:「被害者が証人に述べていたので、証人に訊くものです」
弁護人:「裁判所におきましては、内容の立証に使わないように、配慮していただきたいとお願いしておきます」
赤ちゃんのための安全なボトル
検察官:「どのように握っていたと述べていましたか?」
Pさん:「左手で、指と手のひらで、握っていたと」
検察官:「力は?」
Pさん:「いつも通り緩く握っていたと」
検察官:「手綱の先は丸になっている、輪っかになっているが、数珠のように持っていたのか、それとも一本の綱上に持っていたのか、どう述べてましたか?」
Pさん:「緩く持っていたという話はありましたが、数珠状に持っていたか、一本の綱状か、説明はありませんでした」
検察官:「被告人から詳しい説明がなかった?」
Pさん:「その通りです」
検察官:「ただし、緩く握っていたと、述べていたわけですね?」
Pさん:「そうです」
検察官:「『巻き付けていた』とは?」
Pさん:「えー、そうですね…。ま、えー、その…、えー、手綱を二重巻きだとか、えー、手綱を持っている点については、二重巻きでは持っていなかったものと確認しております」
検察官:「二重巻きに持っていたとは説明なかった?」
Pさん:「はい」
検察官:「もっと詳しく録取すべきではなかったのですか?」
Pさん:「ま、あの、事件が比較的軽微な事案でしたので、あともう一つは、ま、あの、当日被害者から連絡得まして、ま、あの、被告人方に出向いて、今日の狂犬病予防法違反と過失致傷について尋ねたところ、被告人も認める説明でしたので、録取するまでもないと考えました」
P証人は、都合の悪いことを聞かれると、「ま、あの…」と、言葉につまってしまう傾向があるようです。
ま、あの、ま、分かりやすくていいんじゃないでしょうか。
Pさんの態度から考えて、手綱を二重巻きに持っていたのかどうかハッキリ覚えていない点と、事件のショボさに油断してテキトーに録取してしまった点は、どうやら間違いなさそうです。
続いて弁護人による反対尋問です。
弁護人:「平成19年1月**日に、被告人を、何時から何時まで取り調べましたか?」
Pさん:「えー……………………」
弁護人:「頃から頃までで結構です」
Pさん:「保健所のほうと便乗しているはずなんで、保健所と連絡とれてからなんで、事件が8時だとすると、取り調べは10時頃と思いますけど」
弁護人:「何分ぐらい取り調べましたか?」
Pさん:「5分10分ではないです」
弁護人:「2〜3時間ではないですか?」
Pさん:「そこまではないと思うが、ま、あの、5分10分ではなく」
弁護人:「手綱は『数珠』のようにと訊いたのですか?」
Pさん:「言葉では出してません」
弁護人:「『二重巻き』とは?」
Pさん:「それは訊きました」
弁護人:「どのように訊いたのですか?」
Pさん:「手でしっかり持っていなかったのと、杭につながなかったというので、『しっかり持っていなかったの?』と訊きました」
弁護人:「被告人は『二重巻き』の意味が分かってましたか?」
Pさん:「ジェスチャーで説明しました」
弁護人:「どのような?」
Pさん:「左手(ジェスチャーを実演する)」
弁護人:「左手を前に出して右手を周囲でくるくる回したと、こういうことですか?」
Pさん:「はい」
弁護人:「それに対して被告人の反応は?」
Pさん:「今は分かりかねます」
弁護人:「1月**日以外に被告人に訊く機会はありましたか?」
Pさん:「取り調べの前ですか?」
弁護人:「全て含めて」
Pさん:「あります」
弁護人:「その時、被告人から『緩く』という単語は出ましたか?」
Pさん:「記憶にないです」
弁護人:「先ほど検察官から『もっと詳しく録取すべきでは?』とありましたが、そのとき手綱を調べようとは思いませんでしたか?」
Pさん:「被告人が認めてましたので、手綱まで調べるのは、先日、その、皆さん立ち会いの下で行いましたが、当時は取り調べの必要ないと考えました」
弁護人:「先ほど、『比較的軽微な事案』と言いましたが、何をもって『軽微』と考えているのですか?」
Pさん:「人を刃物で傷つけたというわけではなく、幸い狂犬病でもなかったので」
弁護人:「私は重大と思います」
Pさん:「確かに軽いも重いもない…」
検察官:「異議あり。(略: メモなし。法定刑に関連した意見だったようです)」
弁護人:「今のは質問ではなくて、私の意見で、質問はこのあとにあったんですが、もちろん、軽い重いはなく、軽い事件でも取り調べをしっかりやらないと、地域の知的障害者が事件に巻き込まれる可能性があると思っているわけです」
うーん、あらためて申し上げますが、手綱をグルグル巻きにしたとは聞いてないけど、してないとも聞いてないという、何しに来たんだか分からない証人です。
しかも、ハッキリ憶えていないことはもちろん、言葉につまったり、冗舌になりすぎたりと、どうも信用できない印象を受けました。ウソをついているとまでは言いませんが、本当はほとんど憶えておらず、調書に合わせて証言しようと努力しているのではないかと思えてきました。
Pさんには肝心な記憶がないと思いました。
もう一度だけ、検察官からの尋問です。
検察官:「『緩く』というニュアンスについてですが、『いつも通り』というニュアンスで、しっかりした持ち方ではなく、手に携えていたという説明でしたか?」
Pさん:「そのようなニュアンスだったと思います」
すごい誘導な気がするんですけど…。記憶が曖昧な証人にここまで誘導していいのでしょうか。こんな証人尋問に意味あるんでしょうか…。
さて、おまたせいたしました。いよいよ、かわいいおばあちゃんこと、被告人Nさんに対する、被告人質問です。
検察官:「甲35、36号証を被告人に示して、質問を行いたいのですが、よろしいでしょうか?」
裁判官:「弁護人ご意見は?」
弁護人:「しかるべく」
裁判官:「では、被告人、証言台の前にあるイスをひいて腰掛けて下さい」
(よく分かっていないようなので、弁護人がうながす)
Nさん:「ここですか?」
裁判官:「そうですね」
検察官:「(略:事件当時使っていた)綱というか、リードというか」
Nさん:「分からない」
弁護人:「被告人はリードの意味が分かっていないようです」
検察官:「あなたは綱と言っとるの?」(Nさん、前の裁判では「くさり」と表現していました。検察官は忘れてしまったのでしょうか…)
Nさん:「ふふふん(笑)」
検察官:「実況見分の写真1〜2を提示します。見てちょうだいね」
検察官は、普段の裁判と同じように、あっという間にめくっていきました。Nさんが確認できたのか心配になりました。
しかし、その後、写真を見ながら質問したので、大丈夫だったようです。
検察官:「綱ね、ポチの首輪につけられてた?」
Nさん:「…………………………………………(うなずく)」
検察官:「ハイならハイと言ってちょうだい」
Nさん:「分からない」
検察官:「写真はポチの綱?」
Nさん:「うん」
検察官:「これ以外に綱持ってる?」
Nさん:「うーーー。わかりません」
検察官:「ポチの綱は一本だけじゃないの?」
Nさん:「一本だけ」
検察官:「噛んだ時ね、ポチにつけた?」
Nさん:「(うなずく)」
検察官:「ハイならハイと言ってちょうだいね」
Nさん:「綱? (写真を指して)これ?」
検察官:「つけてた?」
Nさん:「(うなずく)」
検察官:「ハイならハイと言ってね」
Nさん:「そうだったかな」
検察官:「噛んだときのこと覚えてる?」
Nさん:「…………………………………………」
検察官:「前回噛んだと言ってなかった?」
Nさん:「(うなずく)」
検察官:「ハイならハイと言ってくださいね」
Nさん:「…………………………………………」
検察官:「ハイならハイとハッキリ言ってもらわないと!」
Nさん:「分からなぁい! 忘れた」
あぁ! なんてかわいらしいんでしょう!
今井さんに教えてもらったとおりです。
でも、人生の大先輩に「かわいい、かわいい」って、失礼ですよね。ごめんなさい。
ここで弁護人が異議を申し立てました。
ウイルスのどのような種類が致命的です。
弁護人:「おそらく被告人は、写真と手綱の同一性が、認識できないものと思われます」
検察官:「弁護人の主張は推測で何の根拠もないものであります」
裁判官:「(苦笑い)うなずいたということで、噛んだということでいいんじゃないですか。続けて下さい」
検察官:「犬が噛んだ日ね、散歩に出たの?」
Nさん:「(うなずく)」
検察官:「うなずいたということでハイね。ハイと聞いとくね」
今回は録音しているのでしょうか? 検察官は、大きな声で「今うなずいたからハイね」と、しつこく確認するのでした。
検察官:「散歩の時は綱はつけてるの?」
Nさん:「(うなずく)」
検察官:「うなずいたね。うなずいたからハイね! どうやって握っとるの?」
Nさん:「ギューっと持っとるよ」
検察官:「どうやって持ちます?」
Nさん:「短く持つよ」
検察官:「今、ジェスチャーしましたが、二重に巻くということ?」
Nさん:「巻く。危ないから」
検察官:「いつも左手に持ってる?」
Nさん:「短く持っとるよ。危ないから」
検察官:「右手は?」
Nさん:「右手はハナがぁみ。ウンコ取るハナ紙」
検察官:「あぁ! 右手にウンコ取る容器を持っとるのか!」
(甲35、36号証の提示。手綱の拡大写真10枚。手綱の持ち方を何種類も写した写真が見えた)
検察官:「ポチが噛んだ時ね、ポチを左手で綱持っとったと言うけど、どの写真のように持っとったの?」
Nさん:「これ」
検察官:「5のように? 何重にもグルグル巻いて?」
Nさん:「短く持っとるぅ。危ないからぁ」
検察官:「綱にはね、持ち手に包帯が巻いてあるけど、あなたが巻いたの?」
Nさん:「いや、鎖とれるとかんで」(名古屋弁訳: 鎖がとれるといけませんから)
検察官:「丈夫にするためか?」
Nさん:「危なぁいから」
検察官:「ほう。そうすると、手も痛くないし、引っ張られてもとれにくいから、包帯を巻いとったということかね?」
Nさん:「あんまり長く持つといかんでしょ。危ないから」
検察官:「それなら急に引っ張っても大丈夫だわな?」
Nさん:「また食いついたらかぁんで」
検察官:「噛んだ当日の朝も、5のように持ってた?」
Nさん:「…………………………………………」(見てなかったので、うなずいたかどうか不明)
検察官:「どうしてきちんと握らないかんの?」
Nさん:「分かんなぁい」
検察官:「先ほど言わんかったか?」
Nさん:「ごめぇん。分かんない」
検察官:「ポチが飛びかかったらいかんからじゃないの?」
Nさん:「……………………(不明)」
検察官:「危ないといかんで持っとっただろ?」
Nさん:「持っとった」
検察官:「外でブラシかけとったでしょ?」
Nさん:「危ないで外でやっとらん」
検察官:「今はね。噛んだ時、どんな風に持っとった?」
Nさん:「持っとったけど、引っ張られた!」
検察官:「当日はどうだった?」
Nさん:「ごめん。分からない」
検察官:「しっかり持ってなかったの?」
Nさん:「…………………………………………」
検察官:「こういう風にしっかり持ってたら離れないと思うけど」
書記官:「こういう風にとは、何番の写真?」
検察官:「5番です」
弁護人:「被告人は先ほど『5のように持っていた』と証言しております」
検察官:「力の入れ方について質問が必要です」
裁判官:「次の質問に移って下さい」
検察官:「5のように持っとったのに、どうしてとれちゃった?」
Nさん:「分からない」
検察官:「5のように持っとったか記憶ある?」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「どんな風だったろう? 手から離れちゃったそうだけど…」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「散歩の時はこういう風だったね?」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「ブラシかけとるときはどうだったの?」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「写真色々あるから、どれだったか思い出してちょうだいよ」
私は、何度も写真を見せていいのだろうかと、疑問に思いました。写真そのものは初めて見せており(たぶん)、事前の刷り込みはないと思いますが、何回も見せてしつこく訊いて信頼性の高い供述が得られるのでしょうか。
Nさん:「思い出せん。分からなぁい」
検察官:「刑事さんに証言してもらったけど、聞いとった?」
Nさん:「(首をひねる)」
検察官:「その時の状況を思い出して、ポチが逃げた時の持ち方思い出して」
Nさん:「分からない」
検察官:「5の持ち方だと、急にポチが走り出して、綱が外れることあるの?」
Nさん:「知らない」
検察官:「ポチが逃げた時、5のように持ってなかったんじゃないの?」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「刑事さんへの質問の中で、『緩く持っていた』と、証言したと出てきたけど?」
弁護人:「誘導です。『緩く』とは言ってない」
検察官:「力を入れないで持っとったという話だったけど、刑事さんに説明した?」
(しばらく、この件について問い詰める)
Nさん:「もう忘れた。分からない」
(略: 弁護人から異議。しばらく揉める)
裁判官:「もういいじゃないですか。答えは出ている」
検察官:「検察官は被告人を弾劾しているのです。刑事さんから取り調べ受けた時、覚えてた?」
Nさん:「(うなるような小さな声)」
Nさんが質問に対して「ごめん。分からない」と謝るのはショッキングでした。そんな被告人は初めてです。覚えてないことは謝らなくていいのですが…。ちょっと切ない気持ちになりました。
結局、検察官は持ち方について、思うような答えを得られませんでした。
一般的に、知的障害者の特徴として、短期記憶が苦手と言われています。一度に扱える記憶の量が少ないそうです。
それに対して、一度覚えたことは、わりと忘れずにいられるようです。これは、短期記憶を繰り返すことで、数年経っても忘れないような長期記憶になるからだそうです。もちろん健常者よりは相当に時間がかかると思いますが、そのようにして生活する力を身に付けていくそうです。
検察官が質問しているのは1年近く前の短期記憶です。しかもNさんは時間や日付という概念が理解できません。私は、5番のように持っていない可能性は否定できないものの、それをNさんから引き出すのは容易ではないと思いました。
続いて弁護人からの質問です。
どのようにブラジキニンの仕事はしない
弁護人:「覚えてることだけ言ったらいいですからね」
Nさん:「(首をひねる)」
弁護人:「刑事さんとお話ししたこと覚えてる?」
Nさん:「…………………………………………」
弁護人:「自分の覚えてることを話しましたか?」
Nさん:「ごめん」
弁護人:「どんな話しました?」
Nさん:「忘れた」
弁護人:「犬が逃げた時のことは覚えてる?」
Nさん:「少し覚えてる」
弁護人:「あなたは立っていましたか? 座っていましたか?」
Nさん:「しゃがんでた」
弁護人:「おしりついてた? ついてなかった?」
Nさん:「ついてなかった」
弁護人:「人が来る気配は感じた?」
Nさん:「………………………………………………………………」
弁護人:「覚えてる?」
Nさん:「覚えてない」
弁護人:「前にブラシかけてて」
Nさん:「家でやってる」
弁護人:「前にブラシかけてて逃げたことは?」
Nさん:「ない」
弁護人:「手綱の丸くなったところを持ってた?」
Nさん:「持ってた」
弁護人:「ブラシの時は?」
Nさん:「短く持っとったかなあ」
弁護人:「覚えてる?」
Nさん:「思い出せん」
弁護人:「手に衝撃は?」
Nさん:「持っとったと思うけど」
弁護人:「犬にいつもと違う行動はありませんでしたか?」
Nさん:「なかった」
弁護人:「検察官は、犬をポチと呼んでたけど、犬の名前はポチなの?」
Nさん:「分からない」
弁護人:「本当の名前は?」
Nさん:「ポチ、ポチって、呼んどるだけ」
(略)
弁護人:「Nちゃんにとって、あの犬はポチ?」
Nさん:「うん」
弁護人:「どうやって持ってたのか思い出せない?」
Nさん:「うん」
Nさんは、事件当時の状況について、おしりがついてなかったこと、ブラシをかけていたこと、犬がいつも通りだったことなど、いくつか覚えていることが分かりました。
肝心な手綱の持ち方については詳しく思い出せないようです。
再び検察官が質問します。
検察官:「散歩から帰ってブラシはどこへ置いたの?」
Nさん:「家の中へしまった」
検察官:「帰ってブラシを置いて、またブラシをかけたの?」
Nさん:「うん」
検察官:「少し家で休んでから?」
Nさん:「□*○#@△$×&@……(不明)」
検察官:「綱を1回外したんじゃないの?」
Nさん:「外っせんか、覚えないもん」
検察官:「ブラシはどこに置いてる?」
Nさん:「玄関とこ」
検察官:「すぐ帰ってブラシかけたかどうか覚えてない?」
Nさん:「分からん。覚えてない」
検察官:「玄関で綱を一旦外したとかは? どうだ?」
Nさん:「…………………………………………」
検察官:「例えば、犬に水をやったり、休憩したり、しばらく時間あったか?」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「思い出せない?」
Nさん:「うーん」
検察官:「弁護人に『手綱持ってた』と言ったけど、本当は持ってなかったんじゃないの?」
Nさん:「分かんない」
検察官:「どうして? 犬が噛んだ時だから覚えとんじゃないか?」
Nさん:「……」
検察官:「大変な時だから」
Nさん:「………………………………………………………………」
検察官:「あなたとしては、今となっては『持っとったと思う』、ということか?」
Nさん:「うん」
長い被告人質問が終わりました。開廷から70分が経過していました。みなさん辛抱してよく頑張ったと思います。
私は、初めて見た裁判を思い出しました。その裁判では、長時間お年寄りが証人尋問を受けており、途中から疲れて「分からん、分からん」を連発していました。
古い記事なので恥ずかしいのですが…。
一般論として、急激なストレス、極度の緊張などから、頭が真っ白になってしまうことはありそうです。
続いて次回期日を決めます。
検察官:「できれば来年にお願いしたい。論告作成に*月をいただきたい」
裁判官:「月曜か、水曜の午前に、入れておるんですが…。*月なら、**日の
午前、**日」
検察官:「できれば**日に」
弁護人:「**日は**:**に一件ありますので、それ以降でお願いします」
裁判官:「それはどれぐらい?」
弁護人:「5分、10分です。午後は差し支えです」
裁判官:「**:**ではいかかでしょう?」
弁護人:「念のため**:**でお願いします」
次回期日は約2か月後と決定しました。論告弁論の予定で1時間とりました。
この日、Nさんは、事件当時の手綱の持ち方について、「持っとったと思う」にとどまり、ハッキリ答えられませんでした。
検察官は非常にしつこく食い下がっていました。
私は、検察官の「弁護人に『手綱持ってた』と言ったけど、本当は持ってなかったんじゃないの?」という指摘は、必ずしも的外れではないと思います。証拠は何もありませんが、実際に犬が逃げてしまったのですから、手綱を持っていなかったか、確実な方法で持っていなかった可能性は捨てきれません。
Nさんは、事件当時、おしりをついていたこと、ブラシをかけていたこと、犬が普段どおりだったことなど、少しは憶えています。
検察官が、手綱の持ち方も憶えているのではないかと考えるのは、必ずしもムチャではないと思います。
Nさんがウソをついている可能性も、真実を語っている可能性も、それぞれあります。しかし、それでは話が終わってしまいますので、ひねくれものの私としては、別の可能性を探ってみることにします。
事件から1年近く経った今になって、慌てて手綱の写真を用意し、しつこく質問を繰り返したところで、本当に正確な答えが得られるのでしょうか?
犯行状況の供述は、犯行時の状況が記銘されて、それが保持され続けて、思い出すことができた場合に語られます。
したがって、犯行時の出来事を正確に語るためには、少なくとも、
1.犯行時に状況を認識(意識して見たり触ったり)していること(そもそも見ていたのかどうか)。
2.犯行時に認識していた状況を思い出せること(憶えているのかどうか)。
3.犯行時に認識していた状況を適切な言葉で語れること(記憶を語れる言葉を持っているかどうか)。
という3点が必要です。
1は本人にしか分かりません。これは検証不可能です。
2は非常に難しい点です。まず、知的障害によって、短期記憶が保持されにくいということがあります。
健常者を含めて、一般的に、どうでもいいこと(今朝ベッドから出るとき右足から踏み出したか左足から踏み出したか等)は憶えていませんし、時間が経てば忘れてしまいます。また、人と会話しているうちに、話の内容と記憶が混ざってしまうこともあります。
Nさんは、事件以来、様々な人々と関わってきました。
まず、被害者のAさんから、大声で叱られました。Nさんは大声を出す男性が苦手です。彼女を激しく動揺させたことでしょう。
次に、親族のXさんから、事件のことで注意されました。しかも、叱られたくなくて、事件を隠していました。
検察官:「被告人はあなたに事件の説明はしましたか?」
Xさん:「怒られるのが怖かったのか、なかったです」
検察官:「その後、犬が噛みつかないように、どうやって監督していましたか?」
Xさん:「『外でブラッシングしてはダメ』『リードを短く持って』『他人様の家の前でおしっこしてはダメ』」
検察官:「ちゃんと謝れたんですか?」
Xさん:「口酸っぱくして叱りましたから」
(被告人の親族Xさん・証人尋問・前々回公判)
事件後に、身近な人(しかもお世話になっている人)から、手綱を確実に持つように、大げさに言えば「手綱を確実に持たないのは悪いこと」と、日常的に繰り返し注意を受けています。犯行時の真実はともかく、「手綱を持っていた」と、刷り込まれたり、思い込んだりしないのでしょうか。
私は、Nさんの記憶が変容しているとしたら、Xさん(を含む親族)が最も影響を与えていると思います。なぜなら、食事をともにするなど、日常的にNさんと親族は接しているからです。本件に関する話し合いが何度も行われたと考えるのは不自然ではないでしょう。
そのような日々で、Nさんは「手綱をしっかり持たないと叱られる」、という学習をしています。それが当時の記憶とゴチャ混ぜになっていると思うのです。
ですから、事件から1年近く経ってしまって、今さらNさんを問い詰めても、あまりにも遅すぎます。私は、被告人質問の信用性に、大きな疑問を抱きました。
さらに、警察官からの取り調べを受け、供述調書が作成されています。供述調書は、被疑者との問答をもとに、捜査官が被疑者の視点で一人称の物語を作成するものです。したがって、一人称の物語として、それなりの理由が必要です。
供述調書ですから、「悪いこととは分かっておりましたが、○○してしまったのです」と、だいたい書き方は慣例で決まっています。被疑者の言い分を全部うのみにしていたら調書は完成しません。被疑者の一人称で裁判官を納得させるだけの文章を書かなければなりません。
本件は、犬が逃げて人に噛みついた過失� �害ですから、過失(手綱を確実に持っていなかった)と傷害(被害者に犬が噛みついた)の2点が不可欠です。
では、争点となっている、過失部分に絞って考えてみます。
一人称の物語を作る場合、
「手綱を確実な方法で持っていなかった」(過失)
ゆえに
「犬を逃がしてしまいました」(結果)
という、過失が必要になります。
なぜなら、過失があったから過失傷害なので、
「手綱を確実な方法で持っていました」(過失なし)
では過失にならないため、
「犬を逃がしてしまいました」(結果)
という結果にはつながりません。これでは調書になりません。
余談ですが、どうして一人称の供述調書を作るのか、理由は謎です。法務省に問い合わせたら教えていただけるのでしょうか?(電話代がもったいないからやめときます。裁判員制度開始までに、ぜひ国民に発表してください)
どうして捜査官が勝手に作った物語が、本人の口から語られたこととして証拠となるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。それは問題ありません。なぜなら、取り調べが終わった後、一人称の調書を作成して、それを本人に読み聞かせ、納得したら署名指印させて、「上記のとおり録取して読み聞かせたところ誤りのないことを申し立て署名指印した」と記入するからです。
慣れない取り調べで疲れ切った被疑者(被害者、目撃者など)にとっては、質問責めにあったと思ったら、今度は勝手に物語を作られて、その与太話…、いえいえ撤回、供述調書が間違っていないか確認するために朗読を聞かされます。その上で間違っていなければ署名してくれと要求されます。
さて、話を戻します。
当然、取り調べの担当者(P証人?)は、いくら「事件が比較的軽微な事案」だと考えていたとしても、過失の自白を必要としたはずです。そうしないと調書になりません。この日の証人尋問では、「手でしっかり持っていなかったのと、杭につながなかったというので、『しっかり持っていなかったの?』と訊きました」と述べています。
私は、そもそもPさんの記憶に疑問を抱いてしまったので、それをもってNさんの記憶力をどうこう言う気にはなれません。
しかし、Pさんは、過失傷害が起きた理由に関して、Nさんに「手綱を確実に持っていなかった」と供述してほしかった、という状況はあったと思います。過失を裏付ける自白となります。何度も繰り返し確認したと思います。
「手綱はどうやって持っていたの?」
「杭にはつないでいなかったの?」
「しっかり持っていなかったの?」
「(グルグル巻きのジェスチャー)こんな風には持ってなかった?」
「どちらの手で持っていたの?」
「右手は何を持っていたの?」
「右手にブラシを持っていたら、左手でしっかりもつことはできるかなあ?」
「杭につないだり、両手でしっかり持ったり、犬を逃がさない方法は知ってた?」
このような質問責めが、多少なりともNさんの記憶に、影響を与えたと考えられないでしょうか。
もう一つ記憶の変容に影響していそうな点があります。
Nさんは、ときおり適当に会話する傾向があり、以前の公判でも出てきました。
「ところかまわず大きな声で話す、人の話を理解できない」
「本当の日常的な会話だけですけどね」
(主治医Yさん・証人尋問)
Yさんによると、「話を理解できない」という点が、Nさんの特徴なのだそうです。
「明日は分かるけど、明後日は分からない。ましてや『来週の火曜日』は分からない」
(主治医Yさん・証人尋問・前々回公判)
裁判官:「次回は、*月*日■曜日、**:**〜**:**、この法廷に出廷して下さい」
Nさん:「はい」
(Nさん・次回期日の説明・前回公判)
前回の記事でも指摘いたしましたが、明後日すら分からないNさんが、数週間後の日時を理解できるとは思えません。それでも彼女は「はい」と答えました。
これは勝手な想像ですが、いちいち「分からない」と言っていると、日常生活が進んでいきませんから、適当に返事をして、うまいこと暮らしているんだと思います。
Nさんは、警察での取り調べでも、同様の対応をした可能性はありそうです。そうすると矛盾が出てきます。矛盾点は指摘されます。指摘が分からなければ適当に返事をします。
このようなやりとりを想像してみます。
a.取り調べ担当者が難しい質問をする
b.Nさんが分からなくて適当に返事をする
c.取り調べ担当者はNさんの返事から誤解する
d.取り調べ担当者はズレた質問をする
e.Nさんはまた分からなくなって適当に返事をする
f.aに戻る
これは、取り調べ担当者がNさんの記憶を引き出しているように見えて、実は2人で創作しています。
噛み合わない会話のなかで、理解できない話、適当な返事、それによる誤解から、事件当時の記憶が変容したり、供述調書に誤りができたりしたかもしれません。
そして、《3.犯行時に認識していた状況を適切な言葉で語れること(記憶を語れる言葉を持っているかどうか)》ですが、こちらも供述に影響を与えています。
Nさんは、中等度〜重度の知的障害者ということもあるのか、簡単な言葉しか使えないようです。「持っとった」という表現は、彼女にとって、どういう意味なのでしょうか。犬の散歩をするにあたって、どの程度の持ち方が、「持っとった」なのでしょうか。
Nさんは、公訴事実の「手綱を確実に把持」と「持っとった」が、同じだと思っているのでしょうか?
ただ単に手に持っている状態と、左手にグルグル巻きにして右手で首輪から30cmのところを掴むのと、区別して話すことはできるのでしょうか?
それとも、親族から叱られたために、「持っとった、持っとった」と、怖がって繰り返しているだけなのでしょうか?
裁判では口頭で述べることが重要な証拠になります。語彙の少ない人間には不利な制度だと感じました。民事で訴えられたら(訴えたら)知的障害者は不利ではないかと思いました。
今回、Nさんは長時間に渡って、質問責めに遭いました。
Nさんが語ったのは、事件当時、しゃがんでおしりをついていたこと、ブラシをかけていたこと、犬が普段どおりだったことなどです。
肝心な「手綱の持ち方」についてハッキリしませんでした。
これは、記憶の変容があったこと、記憶を語れるだけの語彙がないこと、などの理由があるのではないかと思いました。
もちろんこれは、私の個人的な見解であり、本当のところは分かりません。
単純に、慣れない法廷で、質問責めにあって、まともに答えられなかっただけかもしれません。
他の証拠と比較すると分かってくるかもしれません。というか、他の物理的な証拠によって、犯行が立証されるべきでしょう。論告弁論で、双方がどのような証拠を持っているのか、明らかになると思います。
今回、あまりハッキリしない証人尋問と被告人質問でしたが、ひとつ重要な点が明らかになりました。Nさんの供述が正しいとするならば、事件当時は犬にブラシをかけており、手綱を片手で持っていたという点です。
前回引用した広島高裁(H15.12.18)の判例では、手綱を両手で持つことで回避可能だった、と判断しています。片手でブラシをかけていたのはNさんにとって不利な事情となりそうです。
あとは、Nさんの責任能力と、情状酌量がどこまで認められるのか、注目したいところです。論告弁論で整理されるはずです。次回期日を待つことにしましょう。
それにしても、Nさんはかわいかった!
自分に孫ができたらあんな気持ちになるんだろうなあ、と思いながら見ていました。
◎今回分かったこと
・たとえ警察官といえども、1年近く前の取り調べの記憶は、ハッキリしません。
・人は、都合の悪いことを訊かれると、言葉につまったり、冗舌になったりします。
・軽微な事件の捜査はテキトーです。
・覚えてないことを「ごめん」と謝罪する被告人の姿はショッキングです。
・被告人は、事件当時の状況を具体的話せる点があるものの、肝心な手綱の持ち方はハッキリ話せませんでした。
・「ウソ」「無実」と仮定すると話が深まらないことがあります。
・1年前の記憶は変容している可能性があります。
・法務省は、どうして供述調書を一人称の物語として書くのか、理由を発表してください。
【参考文献】
《健康ライブラリー イラスト版 知的障害のことがよくわかる本》(有馬正高/講談社)
《図解雑学 心理学入門》(久能徹・松本圭樹 監修/ナツメ社)
《目撃証言の心理学》(厳島行雄・仲真紀子・原聰/北大路書房)
《新版 供述調書記載要領》(捜査実務研究会/立花書房)
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